“黒留 ハガネ” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:黒留 ハガネ (5 件 / 1 ページ)

世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)1

 

ある日突然、超能力に目覚めた佐護杵光。そしてその力を狙う悪の組織が、突如彼の前に現れ―なかった。隣の家の幼馴染が実は退魔師の子孫だと発覚し―なかった!謎の美少女が転入し―なかった!!平和過ぎる日常に逆ギレした佐護は、自分自身が秘密結社になる事を決意する。日本中を探して見つけた有能美女・鏑木栞を副官に引き入れ秘密結社「天照」を創設、資金調達事業も成功。蓮見燈華、高橋翔太という新メンバーも加えたところ、ついに世界を滅ぼす魔王が現れ―なかった!そこで佐護は、とある計画を思いつくことになり…?ひとりの最強能力者が紡ぐ、圧倒的マッチポンプギャグコメディ、開幕!!書き下ろし特別編も収録!! (「BOOK」データベースより)

ある日唐突に超能力を手に入れた主人公。手に入れた能力に磨きをかけ、世界をも滅ぼせるほどの能力を手に入れてしまうが真に望んでいた「非日常」は訪れなかった。特になにもないまま社会人になってしまった彼は、いっそのこと自分で「世界の敵」とそれに立ち向かう「秘密結社」を作って非日常をプロデュースしようと思い立って……。

超能力と大人の財力を使って超真剣に子供の頃に夢中になった「秘密基地ごっこ」をやってる感じにワクワクが止まらない。非日常は作れる。だいたいこういうのってごっこ遊びをしてるうちに本物の非日常が〜みたいな展開になりそうな気がするんですけど、本当に超能力者的な存在が主人公以外にいない世界なのか、本当にそういう展開は一切ないまま1冊終わるので強い。

主人公が手に入れた超能力という要素以外はあまりにも現実に即しすぎている世界観がめちゃくちゃ世知辛くて、望んでいたのは「超能力」じゃなくて「非日常」なのだという主人公の独白があまりにもわかってしまう。主人公が一人でボケもツッコミもこなすようなテンポの良い一人称が楽しかったです。

どこか夢見がちなパトロン・鏑木さんと、能力は非日常なのに性格がどこまでも現実的な主人公・佐護の共犯関係も良かった。鏑木さんは「中二拗らせ残念系パーフェクト整形美女(お金持ち)」というラノベヒロイン的にかなり美味しい設定してるはずのに変に男らしい性格が災いしてか全くラブコメ的な欲目を感じさせないのがすごいと思う。そして主人公は……非日常と一切無縁のまま超能力者として大成してしまったのって大体この現実的な性格が原因では!? 時に大胆な行動をしつつも現代のネット社会に生きるかしこい若者スタイルでネットの拡散やマスコミは徹底的に避けていってギリギリで大事にならない感じが絶妙。めちゃくちゃアナログの直感で行きてるニコラス刑事との、お互いに正体を知らないままの邂逅も楽しかったです。この紙一重的な楽しさはなんというか……ロードランナーとワイリーコヨーテかよ……(そのたとえは古いと思う)

このまま本当に最初から最後まで自作自演で突き進むのか、それとも超能力バトル的な方向に行くのかわかりませんがいろいろな意味で続きが楽しみな一冊でした。

それにしても、序盤のひたすら超能力を鍛えるだけのくだりがいかにもWeb小説っぽいノリだな〜と思っていたら本当に原作「小説家になろう」だったので噴いた。なんというか、なろう系小説序盤に割とあるひたすらレベル上げするとかただただステータス設定するみたいな部分ってなんでこんなに楽しいんでしょうね。商業だと割とストーリーの本線じゃないからって削られる部分かなって思うし実際こういうシーンがおおいせいでWeb小説の書籍化って割と立ち上がりが重いイメージあるんだけど、こういう描写ってめちゃくちゃ楽しいよな……。

なろうのほうで作者自身が書いたあらすじがキレッキレで個人的にめっちゃ好きなので見たことのない人は読みに行って欲しい。


「好きラノ 2019年下期」投票します。

企画元:ラノベ人気投票『好きラノ』 - 2019年下期

ちょっと前に書いた2019年面白かったラノベと半分くらいタイトルかぶってますが!!!今回も参加させていただきます。2019年はここ数年来だと比較的ラノベを読んでいた年だったなと思うので、2020年も同じくらいは頑張っていきたいです。

Twitterからの投票も受け付けられてますのでお気に入りの作品があるかたは是非ご参加ください。

恵ノ島 すず「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん disc2」→感想
【19下ラノベ投票/9784040730547】
各カップルの恋愛模様も可愛いかったけど、乙女ゲームと現実、2つの世界を繋いだ奇妙な縁に「ゲームクリア」と言う名の決着が描かれていくのが印象的でした。そして、最後のご褒美といわんばかりのエピローグが可愛いやら胸が熱いやら!
常盤くじら「エリスの聖杯」→感想
【19下ラノベ投票/9784815603816】
おとなしくて地味な令嬢と稀代の悪女と讃えられた令嬢の亡霊、ふたりがタッグをくんで事件に挑む、女ふたりの相棒もの。謎が謎を呼ぶ展開もさることながら、とにかく貴族社会の闇が深すぎて怖い。いろいろな意味で事件の真相が気になります。
九岡 望「地獄に祈れ。天に堕ちろ。」→感想
【19下ラノベ投票/9784049126662】
妹のために生き返った亡者と姉の死に囚われ続ける生者。相容れぬ男ふたりがタッグを組んで街を揺るがす事件に挑む、男ふたりの相棒もの。剣呑すぎる掛け合いと、文字の弾丸で彩られるド派手な戦闘シーンに圧倒されました。亡者の街を生きる個性豊かな面々のエゴのぶつけ合いも楽しかった!
小路 燦「異世界転生アンチテーゼ 転生魔王はチート転生者をチートで殺します」→感想
【19下ラノベ投票/9784041083734】
異世界転生して魔王になった主人公が、同じ異世界転生者達のその目的を論破し狩っていく。ただ主人公の愉悦のために身も蓋もなく消費されていく転生者達の姿が滑稽ですらあり、読んでいるこちらも仄暗い愉悦を感じさせられてしまう。いろいろな意味で他で読んだことのない読み口で、面白かった。
黒留 ハガネ「世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)2」→感想
【19下ラノベ投票/9784865545333】
超能力を得たけど非日常は得られなかった主人公がプロデュースする、非日常マッチポンプラノベ。超能力者、異世界人、CIAまで揃ってそれでも「非日常」だけは得ることが出来ないというのが色んな意味で日常さん強すぎであり、このラノベが2巻打ち切りなのまじで解せない(恨み節)
衣笠 彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ11.5」→感想
【19下ラノベ投票/9784040640075】
短編集の顔した「第一部完結編」。登場人物たちの1年間での成長や関係性の変化を余すことなく描きながら、2年生編への新たな布石をしっかりと仕込みを入れていく物語で最高に次巻への期待を持たせつつラストの挿絵に書き手のこころなさすぎで1000万点。いろいろな意味で真意のわからない綾小路の独白と彼自身の本音であるはずの地文すらも裏切っていく挿絵の容赦なさが印象的だった。
渡 航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。14」→感想
【19下ラノベ投票/9784094517811】
2019年はやはりこの作品の完結抜きにしては語れないと思う。拗らせ続けた八幡がやっとのことでたどり着いた結末と、終わりと同時に始まりを感じさせるラストに胸が熱くなる。最終巻の前半までずっと迷走し続けてしまったのが実に「俺ガイル」だなあと。最高に楽しかったです。
永瀬 さらさ「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました6」→感想
【19下ラノベ投票/9784041082683】
「悪役令嬢」という破滅の運命を乗り越えるため─愛する旦那さまとハッピーエンドを迎えるため奮闘する主人公のアイリーンと、彼女を救うために同じ土俵に上がるライバル・リリア様がめちゃくちゃにかっこいい。乙女ゲーム世界であることに拘った展開が楽しかった。
師走 トオル「ファイフステル・サーガ4 再臨の魔王と女神の巫女」→感想
【19下ラノベ投票/9784040732343】
政情から子供では居られなかったヘンリエッテと、そんな彼女を「仕事」で護衛する反面それでも子供として扱おうとするコルネリウスの関係がとても良かった。各主人公それぞれの立場や見えているものの違いも透けて見えて、次巻が楽しみすぎる物語でした(だから5巻お願いします…)


2019年読んで面白かったラノベ10選

あけましておめでとうございます。
今年もこのブログをよろしくお願いいたします。

10年代ベストを作った際に「やはり1年分のまとめは下半期まとめとは別にほしいな…」とおもったので2019年読んで面白かったラノベのまとめです。ぶっちゃけこの後に投稿するであろう「好きラノ2019下期」とネタがかぶる予感がするのですが(投票は12日までですよ!)、自分がこれから期日までに何冊か読んで顔ぶれ変えてくれることを信じて!!

なお、10件ぴったりだったのでこの記事の内容をほぼそのまま「マニアック・ライトノベル・オブ・ザ・イヤー」にも投票してきました。投票は明日までなので10タイトル思いついた人が居たら投票してくると良いと思います。

2010年代ベストも頑張って書いたのでよんでね!

瘤久保 慎司「錆喰いビスコ3 都市生命体「東京」」→感想
この話を劇場アニメでみたい2019
『都市が生える』という発想がもう強さしか無いし、こんなに動いてるところを大画面で見たくなるラノベもなかった。ジブリかTRIGGERでお願いしますってしつこく言う。ストーリー的にも第一部クライマックスで最高に盛り上がっていて楽しかった!
黒留 ハガネ「世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)1」→感想
この「日常」が強いライトノベル2019
欲しかったのは『異能』というよりも『非日常』なのだという主人公の言葉になるほど納得してしまう。そこから、自らの力を使って全力で非日常を『演出』してしまうという、自己満足に満ち溢れた若干傍迷惑なドタバタっぷりが最高に楽しい。そして超能力も異世界も包み込んでしまう「日常」さんが強い。
小路 燦「異世界転生アンチテーゼ 転生魔王はチート転生者をチートで殺します」→感想
この「悪趣味」さが好きなライトノベル2019
異世界転生して魔王になった男が同じ異世界転生者を次々と狩っていく物語。彼らによって生み出されるはずだった物語をバッドエンドの余地も与えず駆逐していく姿が最高に悪趣味で楽しかったです。
有象 利路「賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 〜愛弟子サヨナのわくわく冒険ランド〜」→感想
2019年一番読んで笑ったラノベ
シモネタと内輪ネタとメタフィクションでひたすら爆走するギャグ小説。とにかく勢いの勝利感があるけどこんなに笑ったラノベも今年他になかったので推したい。登場だけで8行使うマスコットキャラくんが好きです(曇りなきまなこ)
恵ノ島 すず「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」→感想
2019年一番キュン死したラノベ
ツンデレヒロインのツンデレを全部事細かに解説されてみんなで「ギャーかわいい!!」ってなるお話。現実とゲームの世界、両面で繰り広げられる恋愛模様と、現実・ゲームの世界の間で築かれていく絆がひたすら可愛かった。2巻できれいにまとまってるのもポイント高い。
衣笠 彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ7」→感想
2019年一番沼だったラノベ
難しいことは何も言わずに7巻の綾小路・龍園の殴り合いの挿し絵を見せてきた友人のやり口が巧妙すぎて震えた(5分後に電書で全部買った)。物語そのものもさることながら、絶妙に良い仕事をする挿絵が本当に良い…1年生編クライマックスである11巻・11.5巻も良かったのですが沼の元凶である7巻を推します。
羊太郎「ロクでなし魔術講師と禁忌教典14」→感想
今一番おもしろいと思ってる長編ラノベ
ほんと毎回「最高に面白かったとおもった前巻を更に超える面白さ」とかボジョレー状態になってるんですけど、14巻の絶望的な閉塞感とそこからシスティーナが介入するクライマックスへの盛り上がりが凄かった…。
師走 トオル「ファイフステル・サーガ4 再臨の魔王と女神の巫女」→感想
今一番続きを心配しているラノベ
主人公3人に加えて脇役達の人間関係も深く掘り下げられてきて、油が乗ってきた感が凄いのでなんとしても5巻が出てほしい…。あと4巻表紙のコルネリウス隊長がめちゃくちゃ好きすぎてこの気持をどうしたらいいかわからなくて持て余している。
永瀬 さらさ「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました6」→感想
このライバルキャラがかっこいい2019
いやほんとにこのシリーズはリリア様のかっこよさが半端ないので推したい!!ゲームプレイヤーを自称する彼女が、「推しヒロイン」である主人公のアイリーンとNPC達を守るために自らも「ヒロイン」になる姿が最高にアツかったです。
渡 航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。14」→感想
完結してよかった2019年大賞
俺ガイルとは思えないようなストレートに甘々な展開にもニヤニヤしちゃうし、物語が終わっても彼らの青春は終わらないと思わせるラストも最高でした。長い長い迷走からようやく抜け出して、「終わり」へと向かっていった物語に感慨深さしかない。ところで短編集のうちの1編とかでいいので3年八幡のクラスでの日常がみたいです。


「好きラノ 2019年上期」投票します。

企画元:ラノベ人気投票『好きラノ』 - 2019年上期

今回も参加させていただきます。割と今季は新作頑張って読んでたので多めに投票してみました。コメントは控えめなので気になったら感想記事の方に飛んでいただければ幸いです(ネタバレと興奮したオタク特有の読みづらい長文には注意してほしい)

Twitterからの投票も受け付けられてますのでお気に入りの作品があるかたは是非ご参加ください。

amazon.co.jp:幼なじみが絶対に負けないラブコメ
二丸 修一「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」
【19上期ラノベ投票/9784049125245】
初恋をこじらせた主人公とヒロイン2人が繰り広げる空回り上等、全員が自分の仕掛けた地雷を自分も踏み合うような三角関係が最高に楽しい。主人公をはじめ、魅力的な男子キャラが多いのも魅力の一つです。
amazon.co.jp:賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 〜愛弟子サヨナのわくわく冒険ランド〜
有象利路「賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 〜愛弟子サヨナのわくわく冒険ランド〜」
【19上期ラノベ投票/9784049124569】
シモネタとメタフィクションと内輪ネタでひたすら爆走するギャグ小説。とにかく好き嫌い分かれそうな作風だけど騙されたと思ってマスコットキャラだけでも見ていってほしい。マスコットキャラがツボに入りすぎて久しぶりに「笑いすぎて腹筋が辛い」という状態になったので謹んで推させていただきます。
amazon.co.jp:世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)
黒留 ハガネ「世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)」
【19上期ラノベ投票/9784865544497】
異能はあるのに非日常はなかった!!もう自分で非日常を作るしか無い!!という圧倒的自作自演系異能バトル小説。「どうせそんなこといって途中から本物の非日常と戦うんでしょ?」と思ったら本当に最後まで自作自演以外の非日常が訪れなかったのでめちゃくちゃ推していきます。
amazon.co.jp:リベリオ・マキナ
ミサキナギ「リベリオ・マキナ -《白檀式》水無月の再起動-」
【19上期ラノベ投票/9784049123289】
絡繰り仕掛けの少年と二人の少女が繰り広げるボーイミーツガールファンタジー。感情を得た機械が不器用ながらも自分の守りたいものを見つけていくという王道ど真ん中の展開が最高に楽しい。アンドロイドもの好きとしてもめちゃくちゃ推したい。
amazon.co.jp:天下一蹴 今川氏真無用剣
蝸牛 くも「天下一蹴 今川氏真無用剣」
【19上期ラノベ投票/9784797398137】
戦国武将の争いから早々にドロップアウトした「無用者」の夫婦が蹴鞠したりイチャイチャしたり敵の刺客と斬った張ったをしながら京都を目指す剣客ラノベ。今川夫婦のイチャイチャも大変可愛いんだけど、二人からどこか漂う暗い影や、過去との対峙というべき終盤の展開などもすごく良い。あとコミカライズがめっちゃいいのでみんな読んで。
amazon.co.jp:ようこそ実力至上主義の教室へ11
衣笠 彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ11」
【19上期ラノベ投票/9784040657394】
今更1巻から全部一気読みしたんですけど本当に面白かった…!一学年編のクライマックスに相応しい手加減抜きの頂上対決と、決して気持ちの良い終わり方ではないけれど今後への展開を期待させるようなラストが好き。二年生編も楽しみです。
amazon.co.jp:ロクでなし魔術講師と禁忌教典14
羊太郎「ロクでなし魔術講師と禁忌教典14」
【19上期ラノベ投票/9784040727240】
システィーナがまじヒーローすぎてヤバイ。これまでにない絶望的な展開からシスティーナの行動をきっかけに一気にひっくり返していく展開が超楽しかった。本当にこのシリーズは右肩上がりで面白くなっていくので気になる人は今からでも追いついてきて…!!
amazon.co.jp:錆喰いビスコ3 都市生命体「東京」
瘤久保 慎司「錆喰いビスコ3 都市生命体「東京」」
【19上期ラノベ投票/9784049121629】
もうサブタイからして強すぎるし、人間から「都市が生える」という発想が強すぎてその時点で勝ってる。何度も言ってるんですけどめちゃくちゃな良作画ですごい監督の作った劇場版アニメでみたいよなこの話…。物語としても、第一部クライマックスの名に相応しい盛り上がりが最高に楽しかったです。
amazon.co.jp:悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました4
永瀬 さらさ「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました4」
【19上期ラノベ投票/9784041072592】
宿命のライバル(ヒロインと悪役令嬢)がこれきりの共闘する展開なんて無条件で好きに決まってるじゃないですかー!!これまでキャラが若干薄かった脇役やヒロイン達もどんどん掘り下げが行われてきて、めちゃくちゃ楽しくなってきた。今後に続く伏線もしっかり張られていて、続きが楽しみなシリーズです。


世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ) 2

 

平和すぎる日常に逆ギレし、世界の闇と戦う秘密結社・天照を作った佐護杵光。東京を救う自作自演イベントを終えた佐護のもとに異世界からの刺客が現れる。彼女はロナリア・リナリア・ババァニャン(905歳)。魔王が絶滅危惧種になり、手厚い保護を受けるほのぼの世界から、胸躍る巨悪との戦いを求めやってきた。ところが佐護の世界にも巨悪は存在せず、巻き起こる「世界の闇」と秘密結社の戦いは全て自作自演。世界が違っても平和すぎる日常は何一つ変わらなかった。そこでババァニャンは、秘密結社の根本を揺るがす、ある極秘計画を企て…?最強の超能力者が紡ぐ、圧倒的マッチポンプギャグコメディ、第2幕!! (「BOOK」データベースより)

「超水球事件」をきっかけに、東京ににわか超能力ブームが巻き起こっていた頃、秘密結社「天照」の元にひとりのロリババアが現れる。彼女は、血湧き肉躍る戦いを求め、身一つでやってきた異世界の存在だったが、やはりこの世界にもそんな非日常は存在せず……。

「日常」さんの強度が強すぎる。
2巻で早速本物の非日常やってきちゃったじゃん!!と思ったらそんなことはまったくなかった。いや異世界人という時点で非日常といえば非日常なのでは?と思わなくはないんですけど、異世界人がまざろうが警察が嗅ぎ回ろうが気にせずマッチポンプな非日常が続いていくのが面白かった。というか、超能力者、秘密組織、CIA、そして異世界人…とここまでそろった非日常要素をすべてひっくるめて包み込んで無効化しまう「日常」さん、ちょっと強すぎません?そりゃあ涼○ハルヒも内なる世界で暴れるよね(風評被害)

『裏切りイベント』の裏で水面下で進行する──!?
わりとちまちま非日常イベントを演出していた1巻とは打って変わって、前回の「超水球事件」に湧き上がる周囲の目から逃れつつ進行する、ババアニャンを主人公にした『長編・裏切りイベント』ににまにましてしまうんだけど、その裏では仲間になったと思われていたババアニャンが実は…!?という、二重に展開される物語が楽しかった。どこまでが本気か、それとも全てがマッチポンプなのか。先が見えそうで絶妙に先が見えない展開にハラハラしました。それにしても熊野警部はいろいろな意味で「適正」があったとはいえそれでお仕事を辞めてしまわれて大丈夫だったのでしょうか。

安定して面白かった……んですけど!?
2巻打ち切りってマジで!!!!??????(ソースは作者さんの日記

なろう版が今7巻目分くらいまで進んでいるし近いうちに完結予定のようなのでまあそっちで読めばいいんですけど……商業版で読み始めたなろう小説はやっぱり商業版で最後まで読みたいみたいなのあるじゃないですか。とても悲しい。各レーベルさんはもうちょっと拾ったなろう小説を責任持って育てて!!って思うけど、それ以上にWeb原作じゃない小説も責任持って育てて欲しいので難しい……。

ところで同作者の「婚活ダンジョンちゃん、東京に巣食う」が超面白かったです。36話まで読んだんですけど今確認したら完結していたので近いうちに読む。